いつまで下がる?土地価格が下落する理由とは
現在、日本の土地は、1990年代をピークに年々価値が下がっています。
最近では、オリンピックへの期待感などもあり盛り返しつつありますが、一時的なものだと考えられています。
一部地域では、ピーク時の半分ぐらいの価値になってしまった土地もある程で、いつまで地価が下落するのかと思っている方も多いのではないでしょうか?
また、なぜ、これほどまでに、土地価格が下落してしまっているのか…。
その理由などをまとめてみました。
土地価格が上昇する要因
まずはじめに、どういった土地が良いとされているのか。
土地価格が上昇する要因をまとめてみました。
土地の価格が上昇する条件には大きく分けて3つあり、
- 交通のアクセスの良さ
- 地域の人口増加率
- 商業活動が活発で居住するには買い物も金融機関も学校も多く便利な所
よくニュースなどで、「公示地価の最高額は、東京銀座の〇〇」というように取り上げられていますが、銀座はこれらの条件全てに当てはまっています。
どうように、神奈川県川崎市の武蔵小杉などの土地が高騰している地域もこれらの条件に当てはまっています。
土地価格が下落する要因
では、次に土地価格が下落する理由はどういったものがあるのでしょうか?
- 交通網が発達していない
- 地域の人口減少率
- 周辺地域の施設が少ない
などが挙げられます。
現在、日本は東京や大阪などの都市部に人口が集中してしまい、地方では年々人口が減っています。
政府も地方活性と銘打っていますが、人口現象を留めるには至っていません。
人口が減ってしまうことで、周辺地域の施設開発も行われませんし、店舗が減る可能性もあります。
また、電車やバスの廃線なども考えられます。
そういった地域では、お金を生むことが難しいため、必然的に土地価格が下落する事となってしまいます。
これからも下落すると言われる理由
また、上記の要因以外にも、土地価格が下落する理由があります。
生産年齢人口の減少
現在、日本は高齢化社会で若年層が少ない構成をしています。
労働力の中核となる15~64歳の生産年齢人口は不動産や住宅の需要量とリンクしているため、今後も土地価格が下落すると言われています。
人口移動の停滞
転勤、就職などで移動する人口移動は、持ち家、貸家に対する需要上昇要因ではありますが、最近の人口移動率は、都道府県間・都道府県内ともに、長期に亘って、低下傾向にあります。
といのも、若者人口の急減が国内で進むために、進学や就職で地方圏から大都市圏へ移動する機会が減少しています。
また、親の年収が伸び悩みなどから、大学生の自県内進学も増加しています。
賃金低下
最近では、最低賃金などの見直しがされていますが、以前、海外と比べると安い傾向にあります。
ある調査によると、男性全体の平均給与は511万円(1.9%増)、女性全体では272万円(1.4%増)。
正規雇用者は、男性が527万円(1.2%増)、女性が356万円(1.9%増)。
非正規雇用者は、男性が225万円(0.4%減)、女性が143万円(0.2%減)となっています。
全体の平均給与(413.6万円)を上回っているのは、男性の正規雇用者のみです。
これも上昇傾向であれば良いのですが、伸び悩んでいる状態が数年続いています。
また、中央値を見ると、「給与階級別分布」によれば、調査内の男性合計は2754万人なので、中央値は1377万人あたりとなります。
年収400万以下の人は1179万人、「400~500万円」の人が472万人いるため、男性の年収中央値は「400万円前半」となります。
また、女性の中央値は「200万円半ば」で、一番多い層は「100~200万」となります。
生産拠点等の海外移転
トヨタなどの自動車メーカーや家電メーカーなどでは、国内で生産すると人件費などが高く付いてしまうため、海外に拠点を持ち、そこで生産を行うというケースが増えています。
かつては中国の安い労働力を活用して生産コストを低下させる生産工場移転で国内産業の空洞化リスクが叫ばれ、地方経済の衰退、雇用の減少を招き、不動産需要を減退させました。
しかし、最近起きている海外生産拠点のシフトは、新興国の巨大な消費市場を取り込む狙いから起きています。
つまり、国内企業による海外シフトは、かつては現地の安い労働力を狙った生産コスト削減が主因の工場移転でしたが、今回は新興国の大消費市場をターゲットに工場からオフィス、店舗に至るまで多用途で起きており、日本国内の不動産需要を重層的に下振れさせる負の要因となっていくと考えられています。
土地価格マップでは
土地価格マップでは、全国の各市区町村の土地価格や土地の相場情報をまとめました。
土地投資や不動産投資をする際に価格情報や相場情報は気になりますよね?そんな土地価格を調べる際にご利用下さい。
土地とは
経済学における土地は、資本、労働、経営(組織)とならび、付加価値を生み出す生産要素としてとらえられています。
また、土地は、固定的にして硬直的な自然的特性(地理的位置の固定性、非移動性、永続性、不増性、個別性等)と可変的にして流動的な人文的特性(用途の多様性、併合及び分割の可能性、社会的及び経済的位置の可変性等)を有する。さらに、人間の生活と活動に欠くことのできない基盤と位置づけられます。
ただ、土地は地理的位置の固定性を有しますが、地殻変動や水害などにより地形が変化し、水没してしまうことも…。
最近の市場経済においては、土地は市場での取引の対象となり、土地を売買・所有すると、税が課せられることもあります。
この土地の価格のことを地価といい、地価も、他の財と同様に、需要と供給の相互関係、代替競争関係にある他の財、不動産の価格等によって左右されます。